うつ病
精神的、肉体的なストレスが積み重なり発症する脳の機能障害で、以下のような症状が、うつ病の患者様にみられやすい症状です。
- 悲しく、憂うつな気分や沈んだ気分になる
- 何事にも興味がわかず、楽しくない
- 疲れやすく元気がでない、体がだるい
- やる気がおこらず、何をするにも億劫と感じる
- 寝つきが悪く、朝早く目がさめる
- 食欲がわかない
- 人に会いたくない
- 心配事が頭から離れず、集中力が続かない
- 自分を責め、自分は価値がないと感じる など
治療について
うつ病の患者様にとってまず大切なことが休養を充分にとり、可能な限りストレスを取り除くことです。
その中で、お話を聴かせて頂きながら、ストレスへの上手な対応方法を身に着けていくための話し合いを行います(精神療法)。
基本的には、診察時に医師が行いますが、当院では心理士によるカウンセリング(主に認知行動療法)を行うこともできます。
しかし、ストレスの原因がすぐに解決できないことも多く、症状に合わせてお薬(抗うつ薬など)を使用することがあります。
脳の機能障害を回復させる薬剤ですが、メリットとデメリットを考慮して、患者様と一緒に治療の選択をしていきます。
注意点
ストレスがかかっていない方にも、うつ病に似た症状が現れることがあり、身体の病気(甲状腺機能低下症等)や、薬剤の使用が原因となることがあります。
このような方には、精神療法、抗うつ薬等が効果的でないことが多く、採血で身体の異常がないかを確認したり、原因となる薬剤を中止(変更)することが必要になることもあります。
双極性感情障害(躁うつ病)
双極性感情障害は、躁状態(気分が著しく高揚)とうつ状態(気分が落ち込む)が繰り返されます。
躁状態の際には、上機嫌でおしゃべりになり、眠らなくも元気で疲れない、突然多額の買い物をする、頭の中に次から次へアイデアがわき出てきて極端な行動を繰り返す、などの症状がみられることがあります。
治療について
うつ病と同様に精神療法も大切な治療法ですが、継続したお薬(気分安定薬など)の内服が必要となる方も多いです。
特に躁状態の際にはお薬をご自身の判断で中断してしまう方も多いため、ご自身の病気及び治療の必要性を理解して頂くことも大切です。
注意点
「うつ病」として受診した患者様の16%が双極性感情障害だったと報告されており、双極性感情障害の患者様は正しい診断を受けるまでに、平均7.5年 もかかるとされています。
長年「うつ病」として苦しまれている方が、実際には双極性感情障害である可能性を常に考慮する必要があります。